どうも、しおたろうです。
最近、PCデポの高額な違約金が大問題になりました。様々な意見がありますが、その中でも携帯電話や固定回線の契約についても様々な疑問があがっていました。例えば、契約をしたがどんな契約なのか知らないであるとか、最初は無料でも数ヶ月後からは有料になるオプションが説明もなくついていたりといった事です。
実はこういったトラブルは前々からあり、総務省ではこれに対して「消費者保護ルールの見直し・充実に関するワーキンググループ」において平成26年から検討をおこなってきたようです。
その結果、平成27年5月22日に新しい消費者保護ルールを盛り込んだ「電気通信事業法の一部を改正する法律(改正法)」が公布され、平成28年5月21日から施工されています。
総務省|電気通信消費者情報コーナー|電気通信事業分野における消費者保護施策
今回はこの改正法で新たに導入された消費者保護ルールを紹介します。
電気通信事業法とは(昭和59年12月25日施行)
電気通信事業法は電気通信事業の競争が公平に行われる事を目的に通信の自由化と同時に施行された。これにより国内は電電公社(現NTT)、国際電話は国際電電(現KDDI)によって独占されていた電話事業に自由に参入できるようになった。
携帯電話事業者やインターネット回線事業者、プロバイダー等はこの法律のもとで事業を行う必要がある。
今回、改正された消費者保護ルールとは?
今回、改正されたのは以下の5つになる。
- 説明義務の充実
- 書面の交付義務の導入
- 初期契約解除制度の導入
- 勧誘継続行為の禁止
- 代理店に対する指導等の措置
1、説明義務の充実
もともとインターネットや携帯電話等のサービスの契約を結ぶときには、料金、料金割引の条件、解約条件等を説明する義務がありますが、それらに加えて高齢者や障害者等、配慮が必要となる利用者に対して、その人の知識や経験、契約目的に配慮した説明を行うことが義務付けられます。
高齢者に対してはわかりやすく、だますことのないような説明をしなければいけないということです。
また、携帯電話サービスやインターネットサービスである「縛り契約」等が自動更新される際に、利用者に事前通知する必要もでてきます。
いつの間にか更新されていたということがないようにするためのようです。
2、書面交付義務の導入
契約後に遅れることなく、契約内容を明らかにする書面を利用者に交付することが義務付けられます。書面は契約先事業者の名称および連絡先、料金、期間限定の割引の条件、オプションの有無、解約の際の違約金そして初期契約解除制度の詳細がわかるようになっている必要がある。
光回線の転用等で電話のみでの契約締結を行い、書面等がなくどのような内容の契約をしたのかがわからないというトラブルや、一定期間後は有料になるオプションサービスが付いていた等のトラブルを防ぐために今回、新しく導入されたようです。
3、初期契約解除制度の導入
契約書面を受領してから8日間が経過するまでは、電気通信事業者の合意なく利用者の都合のみにより契約を解除できる制度です。
クーリングオフに似ていますが、電話勧誘や訪問販売だけではなくこの制度が適用される契約、例えば携帯電話端末サービスや光回線によるインターネットサービスであれば、店頭販売や通信販売を含めてどのような方法で販売されても、はがき等の書面を事業者に送ることによって契約解除をすることができる。
この場合、解約をすることによって生じる違約金は支払う必要はなくなる。ただし、携帯電話端末代や光回線の工事費等は契約に基づき支払う必要がある。ただしこの金額については法令で上限額が定められている。
携帯を新しく契約したのに自宅では電波が届かないなどといった場合に初期契約解除制度を使うと違約金なしで解約をすることができるようになります。ただ、携帯端末の費用は支払う必要が出てくる場合があるようです。また、この制度は書面を送らないと適用されないところにも注意が必要となります。
4、勧誘継続行為の禁止
携帯電話やインターネットの勧誘を受けてから、契約しないという意思(契約の締結を断ることに加え、勧誘の継続を自体を希望しないことも含まれる)を表示した場合、勧誘継続行為は禁止となる。
つまり、いらないと断ったにもかかわらずしつこく勧誘することはダメということになる。ただ、いらないと断るだけではなく、もうこないでと伝える必要もある。
5、代理店に対する指導等の措置の導入
代理店に対してちゃんとした指導をするようにという内容です。インターネット事業者や携帯電話事業者は代理店を使って営業を行うことがほとんどで、強引な営業や利用者からの苦情などのトラブルが起こることがありましたが、今回の改正法により業務マニュアルの作成や研修の実施、苦情への適切かつ迅速な処理などの措置を講じる必要がでてきました。業務が適切に行われない場合などは業務の中止などの厳しい措置を取れるようにもなりました。
まとめ
今回の改正法ですが、とくに契約する上で関係があるのが「書面の交付義務」と「初期契約解除制度」になってくると思います。書面には利用者にとって不利にならないように違約金やオプションの有無、利用料金というがわかりやすく書いてある必要があるとの事です。消費者保護を目的としている法改正ではありますが、この改正により新しい制度が導入されたということを知っておかなければ意味のないものになってしまいます。
やはり契約書面はしっかりと確認してから契約するようにしましょう。